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zoom RSS 忘れられた日本人の"禁じ手"・・・。

<<   作成日時 : 2007/11/24 16:43   >>

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昨日からアメリカは、感謝祭で4連休。アメリカ人の友人達に『ウチに七面鳥食いに来いよ』と大分誘ってもらったが、日本で言う正月のような家族団らんの和に押し掛ける事に少々気が引けるし、久々の休みでマンハッタンでゆっくりしようと丁重に断わった。そこで、マンハッタンにある日本語書店に行ったが、お目当ての書が無く帰ろうと思いきや、日本語情報誌にカフェで目を通していると日本のビデオレンタル屋の広告が目にとまった。アメリカに来て8年、英語習得の為に日本のTV番組ビデオ、CD等を断として拒んで来たが、今日初めて立ち寄った。借りようなんて気は毛頭無かったが、ある人の名前を見て戒を解いた。あまり偉そうな事は普段から言いたくないが、そのビデオを見てどうしてもこの事を書きたくなった。

その人の名は、藤原正彦氏。お茶の水大学理学部教授で数年前に、『国家の品格』を発表され200万部以上のベストセラーに。今年の正月を日本で過ごしニューヨークに帰る際に母親が『良い本だから読みなさい』とくれた。藤原氏の一語一句がいつの間にか忘れてかけていた、僕を育んでくれた素晴らしい文化、歴史、そして日本で出会った人達の存在へアメリカで回帰させてくれた。当時の僕は自分では全く気づかなかったが、ある意味”危険な状態”だったと思う。それを救ってくれた藤原氏の名に目が止まり、8年間のアメリカ生活で初めて、日本のビデオを借りる事にした。

ある報道番組で中曽根康弘氏と会談する教育に関した番組。その中で、小さい頃の両親に叩き込まれた藤原家の禁じ手に触れられていた。

一:大勢で一人を殴ること
二:大きな者が小さな者を殴ること
三:男が女を殴ること
四:武器を用いること
五:相手が謝ったり、泣いてもなお殴ること

これは、藤原氏の新書『心に太陽を 唇に歌を』(この本を買いに今日出かけたのだ!)からのもので、藤原さんの父(新田次郎氏)が小さい頃に藤原さんに叩き込んだ教えだそうだ。藤原さんの父は、常々“力”によって人を服従させる事を断固として許さなかったが、『弱い者がいじめられていたら、例え力を用いてでもいいから必ず救え。当然力を使え。どんな事をしても救え、見て見ぬ振りをして通り過ぎる事は卑怯である。』と暴力を肯定してくれた。。 藤原氏が少年の頃は“卑怯者”と言われる事は、『お前は生きる資格が無い』と言われる事と同じだったから、父親は『絶対そんなことを言われるな』と教え込んだ。

現在日本でいじめ問題が深刻化している。僕が中学3年の頃もあった。先生に相談すると、『次の道徳の時間に取り上げる』と。ところが、全く関係ない事をして終わり。その次の道徳の時間も、その次も・・・。クソ生意気、横着な田舎のお山の大将だった僕は、4度目の授業が始まり数分経ち、僕は黙って立ち上がり手の平に分厚い国語辞典を乗せ、その手を自分の机めがけて叩き付け、『バーンッ!』。先生に廊下に呼び出された。『どうしたんだ?』と。『どうした???いつやるんですか?』と逆に問いただしたが、『先生も色々考えているんだ』と。中学3年で、卒業も近づいていた。僕は、卒業すればもう終わり、みたいな先生の時間稼ぎがどうしても許せず、家に帰って母親に『卒業式が終わったら、あの先生ぶっとばしてやる。卒業したら終わりって言うならなら構わん!』と八つ当たりした。その事を聞き心配した父親から、こっぴどく怒られたのを今でも覚えている。ただ、今でもあの時の行動は間違っていなかったと思う。なぜなら、時間が失われて行く中で、あの時一番の助け舟を出す"力"を持っていた人間は、担任の先生以外誰もいなかったし、そこに自分なりにぶつかったのだから。その事があったから、高校の寮生活で、自分の後輩がいじめられた時は、先輩面をして出て行ったことが数度ある。

決して僕は『ヒーロー』面したり、自らの武勇伝を語りたいわけではない!!! 僕がこういう行動をとれたのは、“周りに同じ意見を持つ友人”がいただけということ。その中で単に僕は一番気が短かったのだと。今はそういう生徒が少なくなっているのではないか。今の学校の現状は、僕は全く分からない、恥ずかしながら。ただ、帰国する度に若い親御さんを街で見かけたり、高校の担任の先生とよく話をするが、僕らの時と明らかに違う事に毎回驚かされる。親になった事の無い僕が言うのもおかしいが、『親の覚悟』が半端だ。『ダメな事はダメ』、『悪い事は悪い』と言えない。理屈ばかりを並べる人があまりにも多いようだ。“藤原家の禁じ手”は、ダメな事ダメ。藤原氏は言う、『この五つの禁じ手に、禁じる理由は無い。ダメだからダメ!子供をしつける時には、論理とか合理性とかよりも、説明を必要としない“情緒”が最も大切だ。』と。僕は、これを叩き込めるのは親しかいないと思う。教育現場で子供中心ということがそもそも間違いだ。先日も母校を訪ねた際、生徒が先生に“タメ口”をきいていた。『なんじゃこりゃ!?』と腹が立った。時代が変わった!?ふざけるな!変わっちゃいけないものあるだろ〜!

また、中曽根氏が言った一言に共感を覚えた。『親父とオフクロの分業制』。親父はおっかない存在で、必要とあらばぶん殴り、責任を持って自分の子供の人格を確立させてやる。僕も父親とは高校卒業くらいまでは怖くて冗談も今程言えなかった。母親は怒る事もあるが暖かく愛情で包み込む、いわばアメの役割。母子、父子家庭の親御さんは一人二役やるのだからそれは本当に大変なことだと思う。しかし、大人になった時は、父親も母親も、懐かしめる存在になる。そうなれないと、悲しいのではないだろうか? 僕はそう思う。懐かしいということは、『帰る故郷』があるということだ。

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『国家の品格』を読み、“武士道”が日本の文化の軸になっていると痛烈に感じた。いじめ問題に関して親の担う責任とは非常に大きいと思う。『男が女を殴ることはダメ』、『一人を大勢がいじめることはダメ。多勢に無勢、ダメ!』。そこに理由は無い。今の親御さんは倫理だ、論理だ、理論だで、そこに理屈や説明をつけようとする。だから、子供が理解できない、つけあがる。藤原氏は何度も言う、『ダメなものは絶対に何があってもダメ! いじめは卑怯なことだ、恥を知れ!親がそれを自分の子供に叩き込まなければならない!』

先月こちらに帰る際成田空港の書店で、新渡戸稲造著『武士道』を購入したがまだ読み終わっていない。日曜日まで休みなので、じっくり読み込みたい。また、『国家の品格』をまだ読まれたことが無い方には是非御薦めしたい。特に、若い人、海外生活の長い人、長かった人へ。 藤原氏は言う、『今日本に必要なものは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、国家の品格を取り戻すことだ。』と。

親になったことの無い未熟者の僕が言うには、行き過ぎた部分もあるかもしれないが、今日のビデオを観てどうしても書かずにはいれなくなった。ご意見あれば、コメントを宜しくお願いします。

ではでは!

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<<1943年3月 インドネシア・スラバヤ沖海戦。撃沈されたイギリスの駆逐艦エンカウンター乗員422名を日本海軍が救助。その決断と指揮を執った日本海軍の駆逐艦『雷(いかづち)』艦長 工藤俊作海軍中佐。最近までこの出来事は、存命していた旧日本海軍関係者以外に、表向きには誰も知らなかったが、救助された元イギリス海軍中尉で戦後外交官となったサミュエル・フォール氏が恩人の消息を追った結果表に出て来た話。422名もの人名を救いながら生前一度も、家族にすら自ら語らなかった工藤中佐に武士道精神を強く感じる>>

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内 容 ニックネーム/日時
日本人のよいところがどんどん失われて行く中、若い方がこんなにも「日本の心」を大切に自分の中で育てていらっしゃることに喜びを覚えました。江戸文学を学んだ私から見ると日本という国が培って来た独特の美意識が明治の近代化の中であっという間に置き去りにされてしまった感がありました。いにしえの人たちの工芸や文学に心魅かれるのは「けじめ」の文化に根をはった凛としたものを感じるからだと思います。けじめこそが日本人の最高の美徳だったのだと思います。やってはいけにことは絶対にダメ。そうですね。ルーズになってしまった感性を今一度きちんと立て直す時期なのでしょう。私は息子たちに日本人の「義理人情」や「潔さ」「豪快さ」を理解してほしくて歌舞伎や文楽を勧めています。大胆な舞台構成、優れた衣装、美しい台詞。そんな文化を持つ素敵な民族であることを感じてほしいと願っています。「国家の品格」を是非読んでみます。奇しくも母校の先生と知ってなおさら親近感を覚えました。アメリカの地で日本の美しさを知る人が映画を作るお仕事をしてらっしゃる、とてもファンタスティックなことに思えます。がんばってください。
メルシーラパン
2007/11/27 19:37
情緒とは素晴らしい言葉だけどこれがとても難しいものでこれを身につけるには育つ環境も大ではないのでしょうか?? それには親が子供に伝えていくもだと思います。そしてその人の感性が豊かなものになっていくでは。。。と思っています!ずいぶん前にPTAの講演会で聞いた「子供は未来からの留学生」と言われてましたがその留学生に大人が伝えていくものをもう一度考えたいと思います。
キャサリーンマリー
2007/11/30 18:47
メルシーラパンさん。お返事大変遅くなり申し訳ないです!今年最後の作品でドタバタで。それももうすぐ終わり、2007年の仕事納めになりそうです。『国家の品格』もう読まれましたか?海外で生活するということは、非常に責任感の必要な事だと思います。自分の生活を管理するという意味でもそうですが、僕はそれ以上に、日本人である事に対してそう思います。世界中多くの国に、古くは1800年代、戦前、そして戦後と先人達が日本人として移住。その人達が、僕たちの想像できないような苦労を積み重ねて築き上げたもの、日本人として築き上げたものに泥を塗るような事だけはしたくないものです。来年もその事を、心の中に留め、常にプラス思考で頑張っていこうと思います。フランス語、頑張ってください!
Mr.Y君
2007/12/15 23:02

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