"La Lumiere et l'Ombre"

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zoom RSS 三人目の神様が後世に残したもの

<<   作成日時 : 2007/12/10 20:20   >>

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<<『市民ケーン』のワンシーン。僕が圧倒されたワンショット。>>

いやぁ〜〜〜〜〜〜、ご無沙汰ご無沙汰! Thanksgiving(感謝祭)が明けてから、今年通算7本目で、今年最後の作品の撮影に入り、とにかく忙しくてツイツイ御無礼をしてしまいました。

ここまで、僕にとっての二人の神様、Tak Fujimotoさん、Gordon Willisを紹介させてもらったが、今日は3人目の神様。世代的にFujimotoさんもWillisもこの人の撮った映画を観て育っている。

その人の名は、 Gregg Toland(グレッグ・トーランド)。光と影のコントラストを強調したライティングなどを駆使しフィルム・ノワールやサスペンス映画の撮影に多大な影響を与え世界的に今でも、誰もが最高のシネマトグラファーと口を揃えて言う伝説の人。主な作品は、『嵐が丘』(39)、『市民ケーン』(41)、『我等の生涯の最良の年』(46) 。1935年の『レ・ミゼラブル』ではアカデミー撮影賞に初ノミネート。

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<<この目が、銀幕に圧倒的な画を描き上げていく最高級の道具とだった>>

トーランドの話をする際、必ず上がる監督の名前がいくつかある。まずは、お馴染みウィリアム・ワイラー監督。ワイラー監督は「トーランドが何かを撮る時には、光と影だけでなく感覚をとらえる」と評し、二人はハリウッド最高のコンビとして 『デッド・エンド』(37)、『嵐ヶ丘』(39)、『西部の男』(40)、『偽りの花園』(42)といった映画史に燦然と輝く多くの傑作を発表。1940年にはジョン・フォード監督と組んで『怒りの葡萄』と『果てしなき航路』の撮影を担当。

しかし、一番のインパクトを映画ファンに与えたのはオーソン・ウェルズとのコンビだろう。彼の処女作『市民ケーン』の撮影監督を務めた。 トーランドは映画監督としての経験がないウェルズに映画撮影のノウハウを指導。『果てしなき航路』で見せた「ディープ・フォーカス」、舞台劇的な長いテイク、カメラを低い位置におき被写体を見上げるローアングル撮影、 ドイツ表現主義的な光と影のコントラストを強調したライティングを駆使して新しい撮影スタイルを確立。

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<<オーソン・ウェルズはトーランドへの尊敬の念を込め、自分の名前と同じ画面にトーランドの名を記した>>

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<<カメラに腕を乗せているのがオーソン・ウェルズ、腕組みをしているのがトーランド。>>

僕が、『市民ケーン』を観た時に感じたのは、この世には色々な“人間の内面や時代”を表現する方法があるが、『ライト』を使う、これほど面白いものは他に無いと思った。トーランドが手掛けた作品は、素晴らしいというよりも、僕にとっては『圧倒的』と言う言葉の方が適切だ。僕にはとても恐れ多くて、トーランドが撮った画を説明したりなど到底出来ない。ワイラー監督が『トーランドは感覚をとらえる』と言ったが、その“感覚”とは言葉では説明できない。観て感じるしかないと思う。ほんの一部分ではあるが、以下に彼の撮った作品をネット上で見れるのでお試しを。 http://youtube.com/watch?v=UxFdkSKS_EM&feature=related

僕は彼の作品を見て、日本語の『映画照明』という言葉を使うのを非常に嫌うようになった。それは、彼が後世に残してくれたものを、個人的に非常に大切にしたいと思うから。僕が彼の撮った作品を観る度に、最も強く感じるのは、『照明』と言う言葉と『ライティング』(Lighting)が全く別のものだということ。これは、僕の考えを根本から覆された理由の一つなので、じっくりとまた次回。

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<<このひげの顔は結構日本人にもお馴染みかも。昔雑誌の中で“聞くだけで英語が話せるようになる!”を謳い文句にした英語教材の広告で使われていたっけ。>>

オーソン・ウェルズと言えば、ハロウィンの日にH・G・ウェルズの小説『宇宙戦争』のラジオ・ドラマ放送中に“火星人来襲”のニュース速報を挿入し、そのリアルさに聴取者たちの多くは本当の出来事だと思い、アメリカ全土にパニックを引き起こした事で有名。しかし、この事件でウェルズ才能は高く評価され、RKO社から製作に関してスタジオから一切の干渉を受けないという破格の待遇で映画製作のオファーを受けてハリウッド入りする。41年処女作として実在の新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルにした『市民ケーン』を発表。この製作、監督、主演、脚本を兼ねた処女作は批評家や一部の映画人からは高い評価を得るものの、ハーストの上映妨害を受けて興行的には惨敗。アカデミー賞では9部門にノミネートされたが脚本賞のみの受賞に留まるが、斬新な映像表現と複雑な物語構成は後に再評価されて、現在では映画史上ナンバーワンの傑作と言われる。彼は名優にして名監督の“元祖”! 特に監督としては間違いなく天賦の才を持っていた。

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<<『市民ケーン』、若かりしウェルズ。>>

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