"La Lumiere et l'Ombre"

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<<   作成日時 : 2009/09/27 21:08   >>

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今年の暮れで、僕がこの世に生を受けて、32年が経つ。今日という日まで、本当に色んなことが起きた。この32年間という時間を振り返る時、辛かった事、楽しかった事、沢山あった。その中で、一番思うのは、良い人たち、仲間に出会えた事。人の出会いというのは、人生の中で限られている。決して無限ではない。僕の出会った人たちの中で、亡くなった人もいる。

先週の、土曜日の昼過ぎに、起きてはならない事が起きてしまった・・・。出会った人との別れは、早かれ遅かれ、いつの日か必ず訪れるものだが、その別れが"最悪の形"で突然訪れてしまった。他人によって奪われてしまった。殺人という形で・・・。

クリストファー・ヘルナンデス。彼と初めて出会ったのは、昨年の夏のテレビ映画の撮影だった。身長は低いが高校までレスリングをやっていて、かなりの筋肉質で、がっちりした体系。高校を卒業したばかりで、同じ映画の世界に入ってきた。親父さんのペドロと同じ道を歩く事を決意して。ペドロは、僕がユニオン(労働組合)の試験に合格して、総会での投票決議会の際に、僕の推薦人になってくれたギャリー・マートンのビジネスパートナーで、二人でこれまで多くの大作、名作を撮ったシネマトグラファー達の右腕として、New Yorkでは有名な方だ。ペドロ、クリスの親子鷹には、いつも良くしてもらった。冬場に、仕事がちょっと切れた時には、彼らの仕事に呼んでもらったりした。通常同じライティングのクルーでも、アメリカ映画界の場合、ライティング クルーは、"Grip"(特殊機材)と"Electric"(Lighting Technician)と二つの違う部署に分かれる。僕はユニオンに、入った時Electricの技術者として入ったので、Gripでの仕事は、原則として出来ない。でも、ペドロが『ユニオンには、何かあったら俺が話をするから心配せずに、出てこい』と言って、仕事をさせてくれた。

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クリスは、当時18歳になったばかりで、まだまだ"やんちゃ"盛り。僕が、撮影の合間に居眠りしていると、こっそり近づき、気持ち良くうたた寝をしている僕のキンタマに軽くデコピンをしてきたりと、くだらないいたずらをしたりしていた。でも、仕事をする時は本当に一生懸命で、飲み込みも早く、父譲りのセンスもあった。

今年始めに、レスリングをやっていた事もあり、総合格闘技の世界に飛び込んだ。お父さんのペドロは、『そんなにやりたいのなら頑張れ』と試合では自らセコンドを務めたりと、レスリング時代から誇りを持っていた我が子を精一杯サポートした。ただ、プロではないので、映画のライティングの仕事もきっちりやりながら、総合格闘技の練習もちゃんとやる。彼は、そんな努力家だった。

このブログにも書いた、この夏に撮影された、『JUST WRIGHT』の仕事でもずっと一緒だった。僕も柔道をやっていて、アメリカの総合格闘技団体UFCや、今は消滅したPRIDEなどを始めとする格闘技が好きだったという事もあり、色んな選手の話をしたり、仕事の合間にお互い不意打ちにタックルしたりして、じゃれ合っていた。NBAチームのニュージャージー ネッツのホームアリーナで撮影をしている時に、二人でスタンドに座って、アメリカ人格闘家で、数年前日本の吉田秀彦選手と対戦した、ルーロン・ガードナー選手の名前を二人ともド忘れして、中々思い出せないでいた。彼は、携帯で友達に連絡を取り調べたりしたが、それでも、彼も僕も思い出せなかった。二人ともしばらく黙って座り、僕が先に『ルーロン!!!』と名前を突然思い出して叫ぶと、クリスが『ガードナー!!!』、そして、二人声を揃えて『ルーロン・ガードナー!!!』と叫び、大笑いした。感覚的には、年も僕よりちょうど一回り下という事もあり、弟感覚に近い友達だった。とにかく、可愛い憎めないやつ的な感覚。

最初にクリスが亡くなったというメールが来た時、そのメールにはどうやってその不幸が起きてしまったのかという情報が、全く書かれていなかった為、僕は、てっきり格闘技の試合で起きた事故だと思い、夜中の2時を過ぎていたので、電話するには遅い時間だし、もっと詳しい情報をつかむためにインターネットで調べてみた。すると、『精神異常男性』によって友人宅前で刺殺、と。また、ネット上でその事件のニュース映像が出されていた。まさに、絶句。寝れなかった。

翌日、通夜に出席するため、クリスの地元Yonkerへ電車で向かった。車中、色んな事を考えた。一番考えたのは、ペドロに何て声をかけたら良いのか。混雑してクリスに会う時間が短くなってしまわないように、約30分前に到着。部屋に入ると、まだ7、8人。部屋に入って来た僕にペドロが気づき、お互い歩み寄り無言で抱き合った。そのペドロの後ろに、クリスが静かに眠っていた。頭が真っ白になり、考えていた言葉も、そして涙も出てこなかった。ペドロが『ありがとうな、見てやってくれ・・・。』と。十字を切って、お祈りをして、ちょっと離れた所から、クリスを30分程眺めていた。『呼吸してないかな。動かない。当たり前か。』頭の中でその繰り返し。

すると、ギャリーが入ってきて、ペドロと抱き合い、そして、お祈りをした。それを見て、涙がボロボロ出てきた。ギャリーが、僕の肩を抱いてくれたが、お互い何一つ言葉が出ない。

一旦涙が止まると、ほぼ完全に現実として受け入れる事が出来たからか、「歯がゆさ」がドッと押し寄せてきた。3週間前に19歳になったばかりで、これから、格闘家としての可能性や夢、映画の世界での技術者としての可能性や夢が、他人によって残酷に奪われた事に対しての歯がゆさ。気丈に振る舞う家族、親戚の人達を見ていると、身を引き裂かれる思いになった。

犯人は精神異常者。恐らく、責任能力があったのかどうか、それがこの先に行われるであろう裁判での大きな焦点になるだろう。"正直な気持ち"が、僕にもある。でも、あえてこの場でそれを書くのはやめようと思う。もう、クリスは絶対に帰ってこない。ただ、一つだけ望むのは、クリスの家族が納得できる公正な判決が出る事、それだけ。

尼僧の村瀬明道尼が説いた、『生まれたという事は、死ぬ事。死ぬ日まで精一杯生きるために人生はある。生きている事が何よりも尊い。どんなに不自由で不幸せでも人生は尊い。人は上手く年の順番で死ぬとは限らない。死ぬ時は死ぬ。生まれた日が違うのだから、別々に死ぬ。死は自然に任せなさい。人間は一人で生まれ、一人で死んで行く。その時まで人生を楽しみなさい。』

今回の事件で、両親を始めとする家族、親戚、今日の日まで出会ってきた素晴らしい友人、仲間に改めて感謝して、如何に自分の人生が恵まれているのかを切に感じずにはいられない。『五体満足に生まれた事以上の幸福はこの世に無い』と村瀬尼僧が言ったが、極々普通の幸せを、それ以上の幸せと感じ毎日を、楽しんで生きて行きたい。

CHRIS, WE WILL SOLELY MISS YOU, WE WILL REMEMBER YOU UNTIL WE MEET AGAIN UP THERE.
REQUIESCAT IN PACE...安らかに。


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生きていく中で幾度の喜びがあるのでしょう。。幾度の悲しみがあるのでしょう。。それに幾度の別れがあるのでしょう。。出逢いと別れ、どちらも喜びと悲しみとの光と影。。どちらも受け止めて自分の心に想いを止めていくことでしょうか。。。
キャサリーンマリー
2009/09/27 22:58

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