"La Lumiere et l'Ombre"

アクセスカウンタ

zoom RSS 親父とプチ東京散策-2

<<   作成日時 : 2013/03/15 09:14  

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 3

「嗜む」、好んで親しむ、好んで愛好するという意味だが、小生は、米、コーヒー、煙草くらいを嗜む程度で、その他の高級品には無頓着、無関心だ。

画像


靖国神社に参拝したあと、近くのカフェで父親とコーヒーを飲み、しばしゆっくりする。その後、「本物の寿司を食わしてやろう」とカフェを出た。靖国通りを下り、九段下会館を通り過ぎ、小道に入った所にある小さな寿司屋さん。小道に入って直ぐ『文久元年創業 九段下 寿司政』と看板が。文久元年とは1861年、つまり創業は江戸時代。小生には少々敷居の高いお店です。

画像


昔ながらの作りのすっきりした雰囲気の店内。予約した時間よりちょっと早かった。

席に着いて、お茶を頂く。小生は今から始まる衝撃の連続と感動を、この時は全く予期していなかった。

父親が「おまかせで握って」と。「そんなこと言った事も無い」と小生。おばちゃんが、アサリのみそ汁とガリを出してくれる。


そうこうしていると直ぐに、寿司板に鮮やかに並べられたお寿司が出てきた。鯛、初鰹の漬け、墨烏賊。
画像


小生は普段寿司を食べる時には、醤油は付けない。このお店ではにきりを軽く塗って出してくれる。丁度いい醤油の風味だ。やたらに醤油をつけてシャリの味が台無しになるのだけはゴメンだ。

墨烏賊から頂いた。「・・・。」生まれて初めての食感。噛み出して、一種の中毒状態に。飲み込もうにも飲み込めない、その時、口の中一杯に広がったシャリ、烏賊の旨味、そして、にきりの風味を失いたくないからギリギリまで味わおうとしてしまう。普段、小生は早食いだが、これぞ一流の職人さんの技だろう、シャリの一粒一粒とネタを極限まで味わわせる

次に、こはだ、さっと茹でた車海老、煮穴子。煮穴子、溶けてしまう直前のふっくら感、そしてさっと塗られたつめ。口に入れる。睡魔すらおぼえるような恍惚感が口の中に広がる。次に、大好きなこはだ。寿司ネタの中で一番手のかかる仕込みを必要とするネタ。コハダという魚は本当に不思議な魚で、煮ても焼いても刺身でも天婦羅でも"美味しくない"珍しい魚。寿司屋でシメた時しか美味にはならない。まさに“仕事をしない”と美味しくならない珍しい魚である。絶妙な塩加減と酸っぱさ、そして、まさにシャリの一粒一粒の間に空気が入ってるようで、口の中に入れた時にほぐれて、そのシャリがこはだをふわっと包み込む。今まで食べたこはだで間違いなく断トツで一番だ。
画像


次に、雲丹、中トロ、赤貝。雲丹、一口で。北海道産だそうだ、ウマい。赤貝、にきりの風味が、赤貝の甘さをいっそう引き立たせる。中トロ、もう・・・、何も言えませんでした。こんなにウマいマグロがいたのか、君はズルい、この世に生を受けて35年、出会うのに35年もかかってしまったね。そんなキザなことを恥じらいもなく言わせてしまう旨さだ。それもそのはず、聞いた所、こちらのお店のマグロはタダのマグロではない。希少価値の高い「南マグロ」。なんでも、鹿児島を拠点とする遠洋マグロ漁船7隻と専属契約を結んで入手しているそうだ。クロマグロよりも甘みがあって、こちらのお店独特の赤酢を使ったシャリと相まって、究極の上品な酸味が味覚の全神経を包み込む。本当に、言葉を失うウマさとは正にこの事。
画像



次に、巻物。干瓢巻き、鉄火巻き、そしてシャリのない卵焼き。ここでも、職人さんの超絶技を見ることになる。以前、恐らく日本で一番有名な寿司職人、銀座数寄屋橋の名店「すきやばし 次郎」の店主小野次郎さんのドキュメンタリーを見た時に、お弟子さんが言っていたことを思い出した。「師匠の巻いた巻物は凄いんです。片方の切り口にさっとかるぅ〜く醤油をつけると、ストンとシャリの間を通って、もう片方の切り口にすぐ醤油が滲むんです。」これを思い出して、鉄火巻きで試してみた。お見事です!切り口を見るとシャリの一粒一粒の間に、見えるか見えないかの感覚の隙間が。職人芸です。巻物なのに口に入れると、直ぐほぐれてシャリ、マグロ、海苔が見事に絡むというより、それぞれがお互いを包み込む。素晴らしいの一言に尽きます。
画像



干瓢巻きも、絶品でした。絶妙の甘辛さ、噛めば噛む程に干瓢の旨味が出て、シャリが上手い具合にそれに乗ってくる。そして、卵焼き・・・。卵で作ったとは思えない食感。鯛や海老のすり身を入れているそうです。寿司屋さんらしい薄焼き卵、絶品!

最後にこはだをもう二貫握って頂きました。「江分利満氏の優雅な生活」等で知られる作家山口瞳さんが言ったそうです。「九段下寿司政のしんこを食べないと、私の夏が終わらない」と。"しんこ"と"こはだ"は同じ魚だが、出世魚で成長する段階で呼び名が違う。(しんこ−こはだ−ナカズミ−コノシロ) ここの、こはだを食べる為にこの店にまた来たいと思った。



画像

<<今回、最高のお持て成しをして下さった職人さん、長谷川稔さん。当店の営業部長もなさっているそうです。また、お邪魔させて頂きます。>>
http://www.sushimasa-t.com/

寿司の嗜み方を学ばせてくれた父と、寿司政さんに感謝です。人生が変わった一軒です。改めて思った、日本人で良かった・・・。本当にそう思う。

もっと頑張ってこんなお寿司を頻繁に嗜むことができるようになりたい。



テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
コハダはサイズで名前も変わってきますが、こちらで言うコノシロはお刺身にしても美味しいですよ!また、コノシロの姿寿司はとっても美味しくて何個でも食べたくなります。
今度帰国した際にはぜひコノシロ寿司を作ってあげましょう!
rosy-daisy
2013/03/16 16:05
はじめまして。
初コメントさせて頂きます。
自分も海外でPDになりたくて、情報集め色々なwebサイトを見ていました。
自分が探した中で、このブログ程現場の生の声が書かれていたものはありませんでした。
HPなど、ございますでしょうか?
もしあれば、海外で活躍されている大先輩の作品見たいです!
ヤス
2015/10/16 12:14
ヤスさん、初めまして。お返事遅れてすみません。コメント通知メールが来た際、誤って掲載停止をクリックしてしまい、ヤスさんのメッセージを修復するのに時間がかかってしまいました。

ここでは、色々お話しするには長くなると思うので、以下にメール下さい。質問などあれば気軽に聞いてください。
bostonys@gmail.comです。
Mr.Y君
2015/10/21 13:22

コメントする help

ニックネーム
本 文
親父とプチ東京散策-2 "La Lumiere et l'Ombre"/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる